医療 負担軽減

医療現場の課題とは?スタッフの負担削減と改善案

医療現場スタッフの現状

看護師は肉体的な負担だけでなく、精神的にも悩みを抱えやすい業務です。 2017年度の日本医療労働組合連合会の「看護職員の労働実態調査」によると、慢性疲労や健康不安を感じている看護師が多く、過重労働と健康悪化の実態が浮き彫りにされています。

看護師が抱える負担の内容や、医療事務が感じていることも併せてみていきましょう。

人手不足による長時間労働

看護師の人数が少なく、ひとりあたりの業務量が多いことが挙げられます。 また急を要する対応もあるため、交代の時間に帰れないことも多いのです。 長時間労働が常態化しており、深夜まで働く他のスタッフの手前、自分だけ早く帰りにくいという声も上がっています。

不規則な生活

病院によって勤務パターンは異なりますが、主に日勤・夜勤の2交代制と、日勤・準夜勤・深夜勤の3交代制をとることが多いようです。 3交代制であれば、実働が8時間となるように割り振りできますが、2交代制になると実働時間が増えてしまいます。

なかでも夜勤が重なると、どうしても生活が不規則になりがちです。 日本看護協会の調査では、夜勤の回数が一部の看護師にかたよっている現状も報告されているため、負担の増加も不安視されています。

患者とのコミュケーションに気を遣う

看護師は患者の状況を一番知っている存在であり、窓口になる立場でもあります。 治療に関することはもちろん、様々なクレームに対応することが求められ、医師と患者の間で板ばさみになることが増えてしまうのです。

また受付や会計などの医療事務も、患者とのコミュニケーションには気を遣う場面が多く、負担を感じています。 患者の気持ちへの配慮に加え、緊急事態には毅然とした態度も必要なため、精神的に負担が大きくなりやすいのです。

スタッフの負担を減らすために考えたいこと

医療スタッフの負担が大きいなか、少しでも負担を減らすためにできることとは何でしょうか。 スタッフの働き方改善に向けて、注意すべきことをみていきましょう。

業務内容を可視化する

現在の業務のなかで何に時間がかかっているのか、また効率化できる作業がないかの洗い出しから始めてみましょう。 同じ業務でも人によってやり方がバラバラだったり、ルールが決まっていなかったりすると効率が悪くなります。 フォームへの記入や申請など「定型化しやすい業務」、倉庫からの出入庫など「繰り返し行われる業務」、決まった内容を入力する「工程が単純な業務」は効率化しやすく、業務の可視化に繋がるでしょう。

労働時間を適切に把握する

タイムカードで客観的な労働時間を記録することが基本ですが、自己申告で労働時間を把握する場合は注意が必要です。 時間外の院内研修・教育訓練の受講や学習を行った場合は、その時間も労働時間に該当します。 勤務時間以外の時間外労働を含め、上限時間を超えないよう適切に把握しなければなりません。

医療スタッフの負担軽減に向けてできること

人手不足や業務時間など、医療スタッフの置かれている状況を挙げてきました。 このような状況のなかで、負担を減らすためにはどのような対策をしていけばよいのか、ご紹介していきましょう。

夜勤やシフトなど労働時間の見直し

日勤や夜勤がある勤務体系では、労働環境の仕組みの見直しが必要な場合もあります。 夜勤の連勤や長時間勤務にならないように配慮するとともに、必要であれば夜勤専従制度の導入を検討し、ひとりにかかる負担を減らすように見直しましょう。 看護師だけでなく、医師同士の交代についても、勤務体系が曖昧にならないように明確な線引きが必要です。

多様な働き方を踏まえた人材確保

医療現場で働く人材の間口を広めるために、さまざまな働き方を導入するのも選択肢のひとつです。 子育て中の看護資格を持った人材を時短勤務で受け入れる、看護師補助者の導入で看護師の負担を軽減するなど、働き方に幅をもたせることで人材確保に繋げましょう。

IoMTなどシステムを使った業務内容の効率化

問診票や電子カルテのシステムを導入すると、医師だけに限らず看護師や受付事務のスタッフでもスムーズに入力作業ができるので効率的です。 IT化で業務の標準化ができれば、勤務経験に左右されない採用ができ、人手不足の解消や労働時間の短縮もはかれるでしょう。 またWEB予約や診察の待ち時間がわかるシステムを導入すれば、受付業務の負担を減らすことができるため、少ない人員でも対応が可能になります。

まとめ

医療現場で働くスタッフが抱える問題は、人手不足からくる長時間労働や不規則な生活、精神的な負担などが大きな割合を占めています。 まず負担を減らすために考えることは、業務の可視化や労働時間の適切な把握です。 その上で、業務の効率化や労働時間の見直し、多様な働き方を踏まえた人材確保などを進めていけば、ひとりあたりの業務負担の軽減が期待できるでしょう。 ただし医療スタッフの負担軽減に向けた取り組みは、部署単位ではなく院内全員で行うことが必要です。

  

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