オンライン診療

オンライン診療について解説!医療機関のとってのメリット・デメリットは?

オンライン診療

オンライン診療とは?

オンライン診療とは、スマートフォンやパソコンなどの情報通信機器を使って行う診察や医学管理のことを指します。

2018年3月に厚生労働省が発表した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」では、「遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為」と定義されています。

オンライン診療は保険診療でも可能になっていますが、保険診療の場合では疾患や対象患者などの制限が設けられています

オンライン診療のメリット

医療現場のIT促進による働き方改革

オンライン診療にはさまざまなメリットがあります。
以下で見ていきましょう。

通院の負担による患者のドロップアウトを防ぎ、治療の継続率を上げられる

通院に付き添いが必要な人でも自宅で診療を受けられるので、治療の継続率が高まり、病気の悪化予防につながります。

新たな患者ニーズへの対応による、新規患者の獲得

多忙で時間がなかなか取れない方など、今まで病院を受診すること自体が難しかった方が受診するきっかけになるので、新規患者の増加が見込めます。

外来対応の合間の時間を有効活用できる

オンライン診療の予約は外来時間の合間にも入れられるので、外来対応の時間を効率よく活用することができます。

在宅診療の場合は、往診の移動時間を省くことができる

在宅診療では、患者の自宅までの移動時間がなくなるので、業務時間の効率化ができます。

待ち時間がなくなることによる、患者満足度の向上

医療機関に寄せられる患者からの意見の中でも、「待ち時間の長さ」についてのクレームはよく耳にするのではないでしょうか。オンライン診療では会計もオンラインで済ませられるので、診療などの医師の面談以外にかかる時間はほとんどありません。待ち時間がないことは、患者の満足度向上にも大きく貢献できることでしょう。

事務スタッフの負担を軽くできる

オンライン診療では、診療のみならず、すべての業務をオンライン上で行うことができます。このことにより、事務スタッフが受付や会計、郵送などの作業を手の空いているときにまとめて行うことも可能となります。また場合によっては、医師1名だけでも一連の作業を行うことができるので、オンライン診療導入によって事務スタッフの負担が増えるといった心配もありません。

オンライン診療のデメリット

医療現場のIT促進による働き方改革

オンライン診療のメリットに対して、デメリットがあることも把握しておきましょう。

診療で行えることに制限がある

オンラインで診察をするわけですから、検査が必要だと判断される場合でも、その場ですぐに検査を行うことはできません。 また画面上でのやりとりなので、全身の状態を診ることや、匂いや肌などの五感を使うことができないこともデメリットと言えるでしょう。

外来予約が多い場合は、診療時間内でのオンライン診療の対応は難しくなる

オンライン診療を診察時間内で行うとすれば、通常の外来予約における合間の時間を当てることになります。しかし元々の予約が埋まっている状態では、新たにオンライン診療の枠を設けることは難しいでしょう。
このような場合では、医療機関ごとの状況に応じた工夫が必要になります。

スマートフォンやパソコンの使い方のサポートが必要な患者がいる

スマートフォンやタブレットなどを普段使い慣れている患者であれば問題ありませんが、高齢者の方はITツールに慣れていないことが多く、操作に手間取ってしまうことも少なくないでしょう。
このような方への対応の負担も、デメリットの一つと言えます。

診療報酬を受けるための手続きが必要

保険診療でオンライン診療を行う場合は、あらかじめ算定条件を満たした上で、厚生局への届け出が必要になります。

オンライン診療を導入する手順

厚生労働省のガイドラインによると、情報通信機器を通したリアルタイムの診療が必要とされていますので、以下の2つが最低限必要になります。

ちなみに、医療業における「中小企業」とは、企業単位で次の1もしくは2の条件に該当する企業としています。

  • スマートフォンやパソコン・タブレットなどの通信機器
  • インターネット環境

オンライン診療の流れ

保険診療でオンライン診療を行う場合、基本的な流れは次のようになります。

  1. 対面診療で初診をする
  2. 6ヶ月以上の定期診察を行う
  3. オンライン診療へ移行する

対面診療からオンライン診療へ移行した患者は、次のような流れで毎回の診療を行います。

  1. 予約枠を設けて、患者からの予約を待つ
  2. 予約の時間になったら、スマートフォンなどでアプリケーションを開き、オンライン診療を開始する。
  3. 会計
  4. 診療の終了後に処方箋を発行。
  5. 患者の自宅への処方箋を郵送する。院内処方の場合は、薬を患者の自宅へ郵送する。

まとめ

オンライン診療は、患者の新たなニーズに応えることができる画期的な診療方法であり、今後ますます普及していくことが予想されます。
ただその一方で、新型コロナウイルス感染症に対する時限的措置など、現在の制度内容には流動的な部分もあります。
オンライン診療を取り入れることを検討されている医療機関では、今後の動向に注視しておく必要があると言えるでしょう。

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