クリニック

業務効率化によるメリットと生産性向上のための施策について

パソコンに入力している

業務効率化・生産性向上をするメリット

医療現場のIT促進による働き方改革

クリニック業務の効率化を図ることでどのようなメリットが生じるのか。 「コスト削減」「業務ミスの軽減」「ワークライフバランスの向上」の3つの点からみていきます。

コスト削減

スタッフはクリニックの質そのもの、クリニックの評判を上げ、利益をもたらすのもスタッフですが、クリニック最大の経費はスタッフの人件費です。 受付の問診記入にAIが導入される、インターネット予約になるなどの効率化によって、人件費が削減できれば、経費にゆとりが生まれます。

ミスが減る

スタッフには、問診、検査の説明や治療の補助、採血、点滴など、多くの業務があります。 クリニックによっては、看護スタッフが受付けや電話応対、薬品や備品の管理、診療室の清掃まで行う場合もあり、一人でこなす仕事の守備範囲が広いのがクリニック業務の特徴です。 多岐に渡る業務には混乱が生じるものです。 分業により役割を分担する、受付、診察、会計に無駄のない導線を引くなど、効率化をはかることで、スタッフは自分の仕事を明確に把握し、キャパオーバーによって生じていた単純なミスを削減することができるのです。 自分の業務を各自が把握できると、ミスが起こった時にも原因をたどることができ、修正改善をスムーズに行うことが可能になります。

従業員のワークライフバランスの向上

少人数で運営しているクリニックでは一人ひとりが受け持つ仕事が多岐にわたります。 特定の人物のスキルに頼って業務が集中してしまう「業務の属人化」も起きやすく、こうした状況はスタッフの離職を招く要因となります。 業務を整理し、分担をはっきりさせる効率化は「業務の属人化」を解消します。 特定のスタッフの負担が減り、優秀な人材の離職防止に繋がります。 無駄な時間と作業がなくなり、残業時間がなくなることで、スタッフは仕事以外に充てる時間を確保でき、生活にゆとりがうまれることも効率化による大きなメリットです。 クリニックのスタッフには女性が多く、家事育児の負担はどうしても女性にかかるという家庭も多数派のため、女性にとって働きやすいワークライフバランスの視点を持つことはクリニック経営の重要なファクターです。

業務効率化に向けて必要な準備

医療現場のIT促進による働き方改革

業務の効率化を図るために、まず行うことは現状把握です。 業務を洗い出し、必要なものと必要でないものに仕分けして、必要な業務の中で効率化できるものを選出しましょう。 効率化を可能にするツールを導入する際には、導入後をイメージして本当に必要なのか吟味することも不可欠な作業です。 それぞれ具体的にどうするか、見ていきましょう。

業務を可視化する

今行なっている業務の中で、何に時間がかかっているのか、効率化したい業務はどれかを洗い出し、必要な作業とそうではないものに振り分けて、効率化したい業務に優先度をつけます。

スタッフ間でトラブルが起きる

クリニックの空気は診察以外の全てを担当するスタッフが作っています。 スタッフ間のトラブルはそのままクリニック全体の空気悪化へと繋がり、業務運営を滞らせます。
また、スタッフ間トラブルの原因は患者さんからのお叱りであることも多く、そこには運営システム、スタッフ教育などクリニック自体の問題点が潜んでいることもあります。 スタッフ間でのトラブルは経営の根幹を見直すサインなのです。

スタッフが膝を突き合わせ、各自自分の行っている業務の棚卸しをしてみましょう。 時間がかかりすぎているもの、効率化したい業務は何なのか書き出してみます。 書き出した業務を次の3つの視点を持って分類してみると、効率化しやすい業務が見えてくるでしょう。

  1. 繰り返し行われる業務:診察時間の電話受付、問い合わせ対応など
  2. 定型化しやすい業務:問診記入の案内、記入後の確認作業、ルールが明 確に決まっている仕事など
  3. 時間をとる割にアウトプットが見えにくい業務:頻繁に行われるスタッ フミーティングなど

このように明文化することで、効率化したい仕事、効率化できる仕事、また効率化のしやすさがわかり、優先順位をつけて業務の効率化を着実に行うことが可能になります

実際にツールを導入したときを想定する

デジタル化するためのツール導入において、利用に時間がかかりすぎないか、かえって非効率な事態を招くことにならないかを想定して検証することは、効率化への準備として必要不可欠です。 クリニックスタッフのITリテラシーを容易に超えてしまうツールを導入したために、操作に慣れるまでに多くの時間を費やしているということが多くのクリニックに見られます。 効率化のために導入したツールを使用することにより、作業がはかどらずかえって非効率になることがありえるのです。 こうした本末転倒の事態を防ぐためにも、自分のクリニックに最適なツールであるのか、スタッフも含めて十分な検討を行う必要があります。 一気に多くのシステムを導入するのではなく、まずは一部の機能を導入し、効果を確認できてからひとつ上のステップへと無理なく効率化を進めることも大切です。

クリニック業務における業務効率化のポイント

医療現場のIT促進による働き方改革

より円滑なクリニック経営サイクルを生み出すために効率化を図るべきポイントを見ていきましょう。

スタッフの人数配置 人件費はクリニック運営の経費で大きな割合を占めます。 曜日や週ごとの、患者さんの来院数の傾向を把握し、それに応じた人数配置で人件費の無駄をなくすことはクリニック経営の理想です。 来院患者数を予測する最も単純な計算方法「過去の同月の来院数÷診療日」で、今月の一日あたりの平均患者数を割り出します。 計算から予想される患者数に応じて、必要なスタッフの数を割り出したシフトを組むことで、適正職員数を配置することができるでしょう。

受付での待ち時間

受付順番制では、患者さんは「何時頃に診察してもらえるのだろう」と目安のない待ち時間に、もんもんとしてしまいます。 患者さんが増えてくるとストレスが溜まり、「いつまで待てば診察なんだ」という不満や愚痴も増えて、診察室の雰囲気の悪化にも繋がります。 待ち時間は、スムーズなクリニック運営のために効率化すべきポイントです。 ネット予約による時間帯予約制の導入で、クリニックは予約業務をカット、患者さんは診察までの目安がわかるのでクリニックでの滞在時間をカットすることができます。 効率化を図ることで待ち時間問題が解消すると、患者さんとスタッフ双方の精神的負担削減に繋がります。

問診票の入力

患者さんごとに1つしかない紙カルテは、診察時には受け付けから医師へ、診察終了後にはまた受け付けへ移動させる必要があるため、無駄な時間が発生します。 看護士や医師の手書きカルテは、判読しにくい文字で書かれた場合、そのつど確認作業が発生します。 カルテがクリニック内を行き交うことになり、一層の時間ロスが生じるでしょう。 電子カルテを導入すると、例えば新規患者さんが受け付けで入力した名前や住所、問診票に基づく症状などの基本情報を、医師は診察室にいながら確認できるようになります。 別室で行った検査の結果も、即時に把握することが可能です。 診察を終えた時点で医師がカルテ記入をすれば、事務スタッフが再入力することなく医療費が自動計算され、患者さんは会計処理で待たされることなく、すみやかに清算を済ませることが可能になります。 電子カルテは作業効率化のみならず、患者満足度の向上にも大きく寄与してくれるでしょう。

まとめ

業務が整理されてミスが削減、分担がはっきりして生産性がアップ、スタッフの働くモチベーションの向上など、効率化によって多くのメリットがもたらされます。 スムーズな運営は働きやすい環境を作り、優秀なスタッフが定着するでしょう。 新たなツールは、導入後をシミュレーションして的確に選別すれば、効率化の追い風となること間違いなしです。 患者さんの多くが不満を抱え、通院最大のストレス「待ち時間」には「 どこでもマテル 」のようなシステムを導入して、よりストレスフリーで快適なクリニックを目指しましょう。

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